2024年度東大工学部, 阪大基礎工学部, 長岡技大編入体験記その2

| December 6, 2023

こんにちは, iduknです.

今回は, 長岡技術科学大学 情報・経営システム工学分野, 大阪大学基礎工学部 電子物理科学科 物性物理科学コース, 東京大学工学部 物理工学科の自分の編入合格体験記本編第二弾です.

今回は高専4年後期の自分の体験談を書いていきます.

自分にとって印象的な内容, そして編入生に刺さる内容になっていると思います.

シリーズの一覧です.

2024年度東大工学部, 阪大基礎工学部, 長岡技大編入体験記その0
2024年度東大工学部, 阪大基礎工学部, 長岡技大編入体験記その1
2024年度東大工学部, 阪大基礎工学部, 長岡技大編入体験記その3

4年後期

夏休みが明けた9月中旬から下旬ごろ, 前回の記事のように夏休みにタイ留学を経験し, そろそろTOEFL受けるなら受けなきゃな〜と考えていました.
しかし, 4年前期に中国TPO (TOEFLの過去問できるサイト)は少し触っており, このままでは全然点数が取れないことは自明でした.

Study for TOEFL

難易度の高さからTOEFL受験が億劫になっていましたが, たまたまある日TOEFLのHPを開くと, 期間限定で受験料が3割引になっていました.

「これはやるしかない」

受験料がアホみたいに高いこともTOEFL受験におけるネックの一つでしたが, これは好機だと思い, 受験することを決めました.
また, 受験日はかなり先まで選ぶことができました.
ですが, 自分の性格的にも, 今後の編入勉強的にも, 後に引き伸ばしても仕方がなかったので年内(12月半ば)に決着をつけることに決めました.

公式問題集中国TPO, 英単語3800で主に勉強しました.
10月, 11月の頭までは
朝は, 単語+(リスニングorライティング)
授業中も単語
夜はリーディング+単語
のような感じで過ごしてました.

特にライティングに関しては英語の先生に添削をお願いしました.
指導の中で, 構成(結論→補助2,3個→結論)や数詞(a, the, 複数形)など, 今まであまり気にしなかった部分に気をつけるようになり, 少しずつ力がついていることを実感していきました.
また, できるだけ生活で日本語を遠ざけるためにスマホの言語設定や在住地を英語(アメリカ)にしたり, SNS, アニメ断ち, 風呂に入ってるときですら英語音源を聞いたりしていました.

しかし, 急にそんなことをした結果病みました.

11月後半や12月は直前期にもかかわらず, 単語をパラッと読む, 毎週の先生への添削のためにライティングを期日ギリギリになってやる程度の学習量になってしまいました.
残りの時間は床に伏せてました.
にもかかわらず, いっちょ前に日本語を入れたくないという思いだけは残っていたことから, 友だちともあまり話さなくなり, しんどさを一人で抱え込んでより辛くなるという病みループに陥りました.

受験数日前.
自宅受験だったので, 受験当日の午後から, 特数の友だちと手巻き寿司を食うことをなんとか数少ない会話の中で決めていました.
それを最後の糧に, また友人に顔を合わせるために, 序盤ほどではありませんが, 勉強量を増やしました.
スピーキング対策はそのときになんとかテンプレをつくり暗記しました.

受験当日.
リーディングとリスニングが終わり, それぞれ19点と15点という仮スコアが表示され, 少し希望を持ちました. (勉強できてなかったこともあり, 60点とれればいいやと思っていました.)
ライティングはそれとなく手応えがあり, スピーキングも黙りはしなかった(Well, Let’s seeは馬鹿みたいに言った)ので, 後は運に任せる…と言った形で試験が終了しました.

(メモ:実際のスピーキング試験問題に中国TPOで練習した問題と全く同じ問題が出ました. 自分は問題は覚えていたのですが, 解けませんでした… 自分は旧形式に受けましたが, 間違いなく有益サイトなのでしっかり復習するといいと思います.)

ストレスから解放され, 友だちと食べた手巻き寿司はとても美味しく, またアニメも解禁し, チェンソーマンを食い入るように見ました.


冬休みに入る直前, スコアが69点である通知を受け取りました.
当初60点を目指していたことや, しばらく病みは懲り懲りだと思いTOEFL勉強を切り上げました.

志望決定

TOEFLを受け終わり, 相変わらず物理がまずかったので, 電磁気学演習を使って本格的に電磁気を対策し始めました.
冬休み中に取り組みましたが, 立体角だったり, 電位の考え方だったりが理解に苦しみました.
冬休みが明け, 他の参考書も読もうと思い,学校の図書館にあったマセマの電磁気学を読みました.

神本でした.

特にベクトル演算子の説明が素晴らしく, 今までバラバラだった電磁気学の知識が一気にまとまる感覚がありました.
マクスウェル方程式の章を読んでる際には感動に震えていました.
その時受けていたベクトル解析の応用数学も一気に有意義なものに感じられました.
まじでおすすめです.

大学物理やるならベクトル演算子のお気持ちを全部理解してからやるべきです.

もう一度言います.

大学物理やるならベクトル演算子のお気持ちを全部理解してからやるべきです.

そんなブレークスルーがあり, 急に電磁気学, そして物理学がより好きになりました.

失恋

一方で自分には好きな人がいました(唐突).
2月の期末試験明けに, その人を誘ってカラオケに行きました.
デートを楽しみ, 終わり際に

告白しました.

振られました.

瞬間の虚無

事実の受容

その人との関係値的にその人と付き合える可能性が低いことは分かっていたので, ある程度受け入れることができました.
家に帰り, 自分は真っ先に「彼女を自分に振り向かせるためにはどうするべきか」を考えていました.
数分考えたとき, ふと「編入した人はモテる」とか書いてあった編入体験談の記事を思い出しました.

次の瞬間には, 家を出て図書館に向かっていました.

「やるならとことんやろう」

そう決心し, 進学の第一希望を東京大学に決めました.

志望動機

もう少し, 東京大学を志望した(個人的な)理由があったのでここで補足させていただきます.

前提として, リベ大の影響で, 北海道に住むと必ずつく「車」という「費用」を将来的に払いたくないと考えていました.
車を使わずに住める場所として東京は真っ先に思いつきます.
そして, 自分は音楽をやりたいと考えていました.
挑戦する機会, 文化への触れやすさを考えたとき, やはり東京が思いつく場所でした.

また, 物理学について調べていると, 量子コンピュータという情報工学と物理学の架け橋になるような分野がホットであると知りました.
そして, 中でも研究が盛んな大学として有名だったのが東京大学工学部 物理工学科でした.

これらのことを漠然と考えていましたが, discord鯖(前記事参照)の猛者たちを見るに「自分には難しいだろう」と内心諦めていました.
しかし, 前章のことをきっかけに覚悟を決めました.
今思うと, この“自分にとっての"強い動機というのが受験には大切だということを感じます.

親にはいくつかの大学を併願しても良いと言われていました.
東大が受験の主軸に決まったことで受験科目, 時期などを勘案できるようになり,
第二志望として大阪大学基礎工学部 電子物理科学科 物性物理科学コースを,
そして, 第三志望には専門を物理で受験できる情報系の滑り止めとして長岡技術科学大学 情報・経営システム工学分野を春休み中に選びました.

対東京大学編入学試験

春休みに入ってからは家事, 睡眠以外のほぼすべての時間を勉強に費やしました.
2月下旬頃に電磁気を一通り終わらせ, 3月上旬までに基礎物理学演習の質点, 剛体の力学, 電磁気学, 量子力学の後半以外の全範囲をさらいました.
そして, 徹底研究で数学を軽く復習してから,
過去問を初めてちゃんと解いてみました.

絶望

全然解けませんでした.

受験期直前には6,7割取れれば勝負できることを知っていましたが,
当時高専のテストで満点に近い点数を出すことが当たり前だった自分にとって, 5割もいかない, 解けない問題があるというのは非常に心にくるものがありました.
物理は案の定だめだったのですが, 英語が本当に出来ませんでした.
TOEIC, TOEFLである程度点数を出していたので, そんなに勉強しなくてもある程度できるだろうと高をくくっていましたが, これらが受験英語と性質が全然異なることをここで知りました.
適切な日本語訳をつける, 節がどの部分を修飾してるのかに厳密になる.
今まで英文を英語のままで考え, なあなあにニュアンスでやっていたことをしっかり言語化するという自分にない能力が必要であることを痛感しました.
英語の惨状については, TOEFLを添削してくれた先生にすら,

「残りの期間全部英語をやらないと難しい」

「現実的に進路を考えたほうがいい」

と言われました.

しっかり現実を受け止め, “東大"に向けた対策をするために体験談に書かれていた参考書を厳選し(主にあんどーさんのブログを参考に),
以降は

午前 学校or図書館で物理の過去問,
午後 珈琲店で英作文ハイパートレーニングandポレポレ,
夜, 朝 単語帳鉄壁
を回しました.

過去問に関しては, 先輩(第0回参照)が問題, 自己解答をともに学校に残してくれていたので, それを使って理解を深めていきました.
この解答にすごく助けられたと同時に, ほとんどの解答が正答で東大合格者である先輩の化け物ぶりを痛感しました.

そして, 午後毎日のように勉強させていただいた馬市珈琲店さんには感謝してもしきれません.
今でも利用させていただいて, ママさんをはじめ多くの方にお世話になっています.
釧路, 大楽毛にお越しの際はぜひ寄ってください.(広告料は一切受け取っていません.)

英語のこれらの参考書はすべて良書でした.
高専に通っていると英文に触れても, 和英, 英和を行き来する必要がありません.
ですので, 英文法の知識が身についてる状態からだとこれらの勉強の初歩としていい訓練になると思います.
鉄壁に関してはなんならTOEFL単語の入門編としてもおすすめです.
イラストがあり単語が覚えやすくかつ, かなりの単語を網羅しており, この単語帳にもっと早く出会いたかったです.


そうして, 起きている間はずっと勉強をしていたわけですが, これだけずっと勉強をしていたこと, ちょっと前にもありましたよね?

そうです. TOEFLのときです.

結果どうなりましたか?

そうです.

病みました.

3月中旬になって, 勉強が嫌になってしまいペースが急激に落ちました.
ホロライブに出会い, 勉強に当てていた時間で貪るように切り抜きを見ていました.

しかし, 友だちへの面目を考えて, 少しずつは勉強を進めていました(前回の反省).

物理の過去問を進めていくと高校物理と大学物理が混ざった問題が出題される傾向が過去数年ありました.
高校物理にも弱いことが分かったため, 力学と電磁気の名門の森をやり始めました.
すると, どうやら高校物理ならでは時短テクニックがあるらしいことが分かり, 勉強しました.

しかし, 気分は復帰しないまま, 5年生が始まります.


今回はここまでになります.

正直, 二度の病みについて思い出して書いてるので鬱になりそうです(笑).
なので, 一回ここで止めさせていただきます.

次回は5年生の受験当日までの最終回になります.

相談だったりがありましたら, コメントやSNS等でお待ちしています.

それでは最後までお読みいただきありがとうございました.

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